サポレジラインの正しい引き方と実際のトレードに用いる方法

この世では投資対象の売買判断において主にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析が用いられる。
テクニカル分析はローソク足が表示されているチャート上に線を引いたりインジケーターを当ててみたりして売買の優位性を見つけるやり方である。

そのテクニカル分析のやり方は当ブログで紹介しているようなフィボナッチやエリオット波動、その他分析方法がたくさんある。
その中でサポレジラインの考え方は様々なテクニカル分析手法を用いる際の基礎的な分析方法であると筆者は考える。

要するサポレジラインの考え方は頻繁に使用する基礎的な部分ですよ、と言うことである。

しかしサポレジラインはチャート上に引こうと思えばいくらでも引けてしまえるため、本当に有効なサポレジラインはどこなのか?正しい引き方は?
正しく引けたとしてそのサポレジラインをトレードに活かす方法は?と悩んでいる方も多いと思う。

本記事ではそのような方を対象にサポレジラインの引き方、考え方、実際に売買判断にどのように用いるかを図を交えて解説していく。

サポレジラインとは

サポレジラインとは正確にはサポートライン・レジスタンスラインと呼ばれ、日本語で言うとサポートラインは支持線、レジスタンスラインは抵抗線という意味を持つ。
この2つの線はチャート上に水平に引かれる水平線で以下の図にサポートライン・レジスタンスライン(以下サポレジラインと呼称)の例を示す。

図中の赤色のラインがサポートラインであり、青色のラインがレジスタンスラインである。

要するにサポートラインとは落ちてきた価格を落ちないようにサポート(支持)するようなラインであり逆にレジスタンスラインは上がってきた価格に対してレジスト(抵抗)するような水平線である。

なお、下図のようにローソク足がレジスタンスラインを上抜けた場合これまでレジスタンスラインだったラインはサポートラインへと変わる。
逆にサポートラインをローソク足が下抜けた場合、これまでサポートラインだったラインはレジスタンスラインへと変わるという性質がある。

サポレジラインの引き方

ここまででサポレジラインの特性について理解していただけたかと思う。
特性を理解したところで次にサポレジラインの引き方についてお伝えする。
ポイントは以下の3つである。

サポレジラインを引くときの3つのポイント

・意識された直近高値安値に引く
・上位足のサポレジラインから引く
・ひげ先に合わせて引くか?実体に合わせて引くか問題

それぞれ細かく解説していく。

 

意識された直近最高値、最安値に引く

サポレジラインは高値安値に引きますよと言う情報はよく目にする。
これは正しいのだがこの情報を元に初心者がサポレジラインを引くと以下の図のようになってしまう。

とりあえず跳ね返ってるっぽいところに何でもかんでも引いてみたという例である。
で、このサポレジラインの引き方は良くない。

このサポレジラインの何が良くないかと言うと線を引きすぎて相場の中の本当に重要なラインが不明確である点である。
跳ね返っているっぽいところに何でもかんでも引いてしまうとこのように結局たくさん線が引いてあるだけで重要なラインはどれ?という話になってしまう。

意識すべきポイントは相場の「最」高値、「最」安値に引くことである。

このことを意識して正しいラインを青色不必要なラインを赤色で引くとこうなる。

不必要なラインに共通するのは「最」高値や「最」安値でないことがわかると思う。
さらにこのチャートで必要なラインだけを残すとこのような図になる。

上位足のサポレジラインから引く

サポレジラインの特性として5分足のサポレジラインより、1時間足、1時間足よりは4時間足のサポレジラインの方が効きやすいという特性がある。
つまり上位足のサポレジラインほど効いてくるということである。

あなたのトレードの執行足(最終的に何分足でエントリーの判断を行うか)5分足、15分足であれば1時間足、4時間足、日足のサポレジラインを引けば十分だろう。
執行足が1時間足であれば4時間足、日足、週足のサポレジラインを引きたい。

筆者は5分足を執行足としてトレードしているのでこれを例として1時間足、4時間足、日足のサポレジラインを引いてみる。
以下の図は執筆現在のGBPUSDの日足チャートである。
日足からサポレジラインを引き、最終的に執行足である5分足でエントリーチャンスを探せるようなラインを引いていく。

日足のサポレジライン

まず日足チャートにサポレジラインを引くと下図のような感じだろう。

4時間足のサポレジライン

次に4時間足にサポレジラインを付け加えるとこのようになる。

1時間足のサポレジライン

1時間足にサポレジラインを引くと下図のようになる。
この時点で4時間足のサポレジラインはチャートの外に出てしまった。
これは5分足を執行足としてトレードするのであれば4時間足のサポレジラインはしばらく考慮しなくていいという意味である。
つまり下図が示すことは直近では1時間足のサポートラインと日足のレジスタンスラインを意識してトレードしようということである。

5分足のサポレジライン

私の手法では5分足が執行足である。
先述の通りサポレジラインは上位足のラインほど効きやすい。
なので執行足でのサポレジラインは引かない。

で、5分足の状況が下図である。

図で言うと日足のレズスタンスライン、1時間足のサポートライン付近でトレードを検討したい場面である。
その真ん中付近はレンジに巻き込まれる可能性が高く手を出したくない。

わかりやすく図で示すと以下のようになる。

サポレジラインの引き方としては以上である。

ひげ先に合わせて引くか?実体に合わせて引くか?

サポレジラインにかかわらず、トレンドライン、チャネルライン等を引くときにひげ先に合わせるのか、実体に合わせるのかという問題があります。
情報源によっては実態に合わせるのが正解と書いてあったり、ひげ先が正解だと書いてあったり読者の方は混乱しているかもしれません。

私の場合、ラインを通す個所としてひげ先、実体に加え「実体の中」という概念を持っている。
そこで私の答えを提示するとラインを引きたい2点以上の個所の状況に応じてひげ先、実体、実体の中を通すである。

実体の中という概念について

実体の中というラインの引き方を耳にする読者は少数だと思うので、この実体の中を通すというのはどういうことか説明する。
以下の図を見てほしい。
黒のローソク足が陰線で、白のローソク足は陽線である。

左側は2本連続の陰線で下げた後3本連続の陽線で盛り返した場面である。
この場面を一本のローソク足で表現するならば下髭を付けた陽線ということになる。

つまり左の場面と右の場面は値動き的に同じ意味を持っているため左の場面の陰線と陽線が被っている部分はヒゲ扱いということになる。
であれば、ラインを結びたい地点が以下の図のような場合、左の地点ではサポレジラインを実体の中に通すことが妥当であると考えられる。

これがサポレジラインを「実体の中に通す」という考え方である。

実際のチャートにサポレジラインを引いてみた例

言葉で説明するよりも実際に見てもらった方が理解しやすいと思うので先ほどお伝えしたラインを引きたい2点以上の個所の状況に応じてひげ先、実体、実体の中を通す」ということを考慮し実際にサポレジラインを引いてみる。

ひげ先+実体の中を通したサポートライン

実体+実体の中を通したレジスタンスライン

図の赤丸部分はレジスタンスラインを一度大きく飛び出してしまっているがその後すぐに急下降でレジスタンスライン内に戻ってきた。
この場合はこの部分をヒゲと見なしている。

ひげ先+実体+実体の中を通したレジスタンスラインの例

例はこれくらいにする。
全てをひげ先、全てを実体、のようにラインを通してしまうとちゃんと効いているか効いていないかわからないようなラインしか引けない。

なのでひげ先、実体、実体中(ヒゲ)という概念をもってそのバランスが取れた場所にラインを通すことで正しいサポレジラインが引けるようになる

サポレジラインは「帯である」という感覚を持つ

サポレジラインはライン(線)という名前が付いているが実際には帯(バンド)という表現が適切だ。
実際、サポレジラインを正しく引けたところで、そのラインタッチでバシッと跳ね返ることはほぼ無いと言っていい。
それは相場には様々な思惑を持った人間が相場に参加しているからだ。

サポレジラインは帯である、という感覚はは大きな時間足のサポレジラインであればあるほど顕著だ。

それがどういうことか図を用いて説明していく。
図は日足に引いたサポートラインである。

赤丸部を見ていただければわかるが下髭を付けてバチバチに効いている。
しかしこの部分を執行足である5分足で見てみると・・・

日足のサポートラインタッチで買いエントリーを行うと図のように恐らく損切りになるであろう逆行に会ってしまう。

だから日足などの大きな時間足のサポレジラインは帯であるという認識を持つことが重要なのである。
上図のチャートの場合の正しいレジスタンスラインの認識としては下図のようになる。

ご覧のように帯状として認識すればレジスタンスラインとして機能している。
もしくは「ゾーン」という感覚でもOKだ。

これが4時間足のサポレジラインになれば帯はもっと細くなるし、1時間足のサポレジラインであればさらに帯は細くなる。

この話を聞いてサポレジラインなんて使えないじゃないか!と思った人もいるかもしれないがそんなことはない。
次の章でサポレジラインの実際のトレードへの活かし方、エントリーのやり方を説明していく。

レジサポラインでのエントリーのやり方

これまで説明したようにサポレジラインはラインばっちりで効くわけでもなければ、そもそも効かずにぶち抜かれることだってある。
そんなライン使えねーじゃねえか!と決めつける前にこれからお伝えすることを読んでほしい。

結論から言うとサポレジライン付近で”効いたことを確認してから”エントリーすればいい。

サポレジラインが効いたかどうか確認する方法は以下の2つである。

サポレジラインが効いたか確認するポイント

・サポレジライン付近で3回止まった
・サポレジライン付近で大きなローソク足が出た

サポレジラインの引き方のおさらいも兼ねて順を追って説明する。

日足のサポレジラインを引く

以下のチャートを例にして上位足からサポレジラインを引いていく。
まずは日足にサポレジラインを引くとこのようになる。

4時間足のサポレジラインを引く

4時間足に落としてサポレジラインを引くとこうなる。

ここからさらに1時間足に落としてみよう。

1時間足のサポレジラインを引く

正直引けるラインがあまりない・・・
ここで4時間足で引いたラインがチャート外に出てしまい直近であれば日足のレジスタンスライン、1時間足のサポートライン付近で5分足でエントリーを検討することになる。

執行足である5分足で止まったかどうか確認する

ここまでのサポレジラインで直近では日足のレジスタンスラインor1時間足のサポートライン付近でエントリーチャンスを伺うことになりそうだとわかる。
イメージとしては以下の図のようになる。

これを5分足に落とすと・・・

日足のレジスタンスライン(帯)付近で大きな陰線が3本連続で現れた。
ここで売りエントリーという考え方は大いにアリだと思われる。

このようにサポレジライン(帯)付近で止まったことを確認してエントリーすることでサポレジラインを有効に使えるし勝率の高いエントリーが可能になる。

なぜサポレジラインは効くのか

このようにサポレジラインは正しく使えば非常に有効な手法であるがなぜサポレジラインが有効なのかロジカル的に説明する。
実際の相場で使うための知識は説明したのでここからは時間や興味のある方だけ読んでもらえればOKだ。

なぜサポレジラインが効くかと言うことはあなた自身が買いポジションを持っている側、売りポジションを持っている側、それぞれの立場になって考えれば簡単だ。

あなたが買いポジションを持っている場合

まずあなたは買いポジションを持っていると仮定しよう。
下の図の赤矢印ポイントでエントリーしたとする。

順調に価格が上昇していった場合あなたはどこで利確を検討しますか?
恐らくほとんどの人が下の図のポイントに注目しているはずだ。

なぜなら直近高値でありサポレジラインも存在しているからだ。
せっかくここまで積み上げた利益がここで反転して利益が減少したりマイナスになるのは避けたいはず。

だからこの付近で利確を検討する買いポジション保有者は多いはずだ。
買いポジションが利確(決済)されるということは売りが入るということと同意である。
売りがたくさん入れば相場の価格は下落する。

だからレジスタンスラインでは価格が抑えられる場合が多いのである。

あなたが売りポジションを持っている場合

逆にあなたが売りポジションを持っている場合を考えよう。
下図のポイントで売りエントリーしたとする。
あなたはどこで利確を検討するだろうか?

恐らくほとんどの人は下図のポイントで利確を検討するはずだ。
なぜならこのポイントは直近安値でありサポートラインが引けるポイントだ。

売りのポジションが利確(決済)されるということは買い注文が入ることと同意である。
買い注文がたくさん入れば相場は上昇する。
だからサポートラインは効くことになる。

最後に私が開発したオリジナルEA「be-legend」のトレード成績をアップしているので時間がある方は以下からぜひ覗いてみてほしい。